2010年度の総務省・家計調査報告によると、夫65歳以上、妻60歳以上の無職世帯の夫婦の1ヶ月の平均支出は265,000円ほどとなっています。
一方、年金による収入は、224,000円となっており、毎月4万円を超える赤字が出る計算になります。
60歳まで生きた男性の平均寿命は82.84歳、女性は88.37歳、という統計(2010年簡易生命表)があります。
余裕を持たせて夫87歳、妻92歳まで生きると仮定し、最低限の生活のためには月24万円、ややゆとりある生活のためには月30万円かかるとすると、最低限生活では1億776万円、ゆとり生活では1億1856万円の確保が必要、という計算があります。
この場合、年金が7274万円支給されるので、不足する資金は最低限生活で3500万円、ゆとり生活で4580万円ほどになるとのことです。
この結果を、最初に記した平均支出265,000円に照らし合わせると、不足する資金は3950万円となるので、概ね4000万円程度の資金が不足するということになります。
つまり、夫婦が平均的な老後生活を送るためには、公的年金とは別に4000万円の資金を用意しておく必要があるということになります。
これに退職金を充てれば、さらに用意する資金は小さいものとなりますが、それでも2000万円程度の準備は必要になります。
ただし、年金支給額については、受取開始が近い世代についての試算なので、支給開始までにかなりの期間がある若い世代については、支給開始年齢の見直しや支給額の減少の可能性もあるため、年金の受取額は減少することを考慮しておかなければなりません。
老後生活への備えは早めに
想定する老後の生活、年金の受取額や退職金などについては、人によって大きく違うため、自分の生活費や年金額を早めに知っておき、対応策を立てる必要があります。