夫が会社員で厚生年金に加入している場合の専業主婦の妻は、「第3号被保険者該当届け」を提出することによって、国民年金保険料を直接納付する必要がなくなります。
結婚するまで勤めていた女性の場合、退職と同時に厚生年金加入者としての資格を失うので、夫の扶養になった時点でこの届け出を出すことになります。
退職から扶養になるまでに期間がある場合は、いったん第1号被保険者として国民年金に加入した上で、扶養になった時点で上記の手続きを行います。
夫が退職した場合は、被保険者種別が変更になる
夫が退職し、自営業等に転じるなどして、厚生年金加入者資格を失った場合、妻は第3号被保険者に該当しなくなるので、第1号被保険者への種別変更届けが必要となります。
他にも次のような場合に、第3種から第1種へ種別が変更になります。
1.夫が退職した。
2.夫が死亡した。
3.65歳になった。
4.配偶者と離婚した。
5.収入が増え、配偶者の被扶養者から外れた。
種別変更後は、自分で国民年金保険料を納付することになります。
第1号被保険者への種別変更届け不提出による不整合記録問題
この第1号被保険者への種別変更届けが必要だったにもかかわらず、提出しなかった妻が多数存在したことが問題になりました。
その数は約47.5万と推定されています。
つまり、この人たちは該当する期間の保険料が未納になっているため、その分の年金がもらえません。
また、払い込み期間が不足して年金自体が受け取れない人も出る可能性があります。
この人たちを救済するために厚生労働省が行った対応策は、「2年分の保険料をさかのぼって払えば、全ての期間を払ったものとみなす。」というものでしたが、きちんと種別変更届け出を出して全期間の保険料をまじめに納めた人との間に不公平感が生まれた上に、この重大な改定を国会で審議することもなく単なる通達で行ったため、大きな問題となりました。
現在は、2年以上経過して、さかのぼって保険料を払うことはできない期間において、手続をすれば特例として平成27年4月から3年間の時限措置で、過去10年分の納付が可能になる、という対応策になっています。